亡き父の一番近くへ

八月四日、月は違うが父の月命日。富士山頂目指し日本で一番天国に近い富士を登りました。父のお普賢さんを握り。身体は熱く、未だ自分の身はこの世にあるのを感じました。天気は良く、高い標高でも寒くも無く父が近くへ来る事を暖かく見守っているようでした。空が少しづつ明るくなり、やがて地平線から御来光が。お普賢さんと御来光を見て手を合わせました。ドンドン登り剣ヶ峰へ。父の近くへたどり着きお普賢さんを握り火口に向かい般若心経を唱えました。唯、無心に。標高も高く考える力も無く。身体は熱く自分は生きている。この世で自分には父に出来る事は何も無い。私に出来る事は父の一番近くで手を合わせる事だけでした。日本で一番あの世、天国の近くへ行き、そしてこの世へ帰る。自分は未だ未だ生きる。生きていける。父は未だ来るなと言ってくれている気がしました。